おかえりー |
「極」、この妙に力強そうな漢字からして「極東」の国はやたらと遠くにありそうだ。”極東”を必要もないのだが、英語にすると”Far-East”やはりとっても遠い。そんな極東に住んでいる我々からするとそんな極地に住んでいるつもりもないのだけれど、飛行機や船やシベリア鉄道などではるばるやってくる海外のゲストさんをここでお迎えしていると、やはり極地なのかなあ、と考え込んでしまうのだ。
確かに距離が遠い、すなわち、費用がより多くかかる。昨今はオイルサーチャージなどというシステムのよくわからないようなものも払わされるし、為替というこれまた正体のよくわからない仕組みのために起こる円高の激流を遡るように旅行しなくてはならないし、原子力発電所は爆発したりしてその後一年経過してもどこまで安全なのか住んでる我々すら正直よく把握できてないし、海外からの訪問者にとって、日本は訪れにくい国になってしまったんじゃあないのか。。。やはりここは本当に極地なのかもしれんなあ・・・となかなか回復しない外国人旅行者さんの予約統計を眺めながら茹だる暑さの中ブツブツとつまらないことばかりを考えていたのである。
そんな昼下がり、長崎まで何度も足を運んでくれているスロベニアのとあるおじさんから「数日後そっちへいくよ」とメールが届いた。そして昨日住んでいるお隣の国からやって来てくれた。観光に出るわけでもなく、毎日ビールを飲み、日光浴をし、そしてまたビールを飲んでいる。とにかくカモシカが岩塩をなめるように彼にはビールが必要なのだ。←よくわからん。昨年、息子さん二人被災地の岩沼に入り一カ月もの間瓦礫撤去のボランティア、その前後の日程で(遠回りなのに)ここへやって来ていたのである。
彼らは、海外の地で、親子で、一ヶ月間も、無償で、働いてしまう(ビールがあれば)。彼らにとって、国境や距離や人種や金や・・そんなものは本当に無意味のないものなのかもしれない(ビールがあれば)。そして極地や極東なんて言葉も意味をなさないであろう(ビールがあれば)。
そんな彼ら親子は「お前らの宿は銀河系一だぜ!」と僕たちを励ましてくれる。
そうだ、そうなんだ。「宿の価値ってえのは、売上やらゲストさん数とか見てくれとかそんなもんで決まるもんじゃないのだよ。そう、おれたちは銀河系一の宿目指すぜ!」と僕はカッコよく心で呟く。
しかし、ふとデスクに戻った次の瞬間、またしても今月の予約の統計をチラリ横目で確認してしまう僕なのである。
一方、彼は昼間からビールを楽しんでいる。
2 comments:
はじめまして。
あかりさんには一度も訪れたことはないのですが、ブログいつも拝見しています。
いろんな国から訪れる旅行者の方々への、あかりさんの愛を感じます。
私は諫早に住んでいますが、海外への憧れ、外国の方々との交流を、こちらで経験したつもり(笑)になっております。
これからも楽しみにしています。
スタッフのみなさんも、暑さに負けず集客!がんばってください。かわいらしいおちびさんも夏バテしませんように★
私は生活にビールはいりませんがお菓子が必要です。
メギーさん
はじめまして。ホステルあかりです。嬉しいコメントをありがとうございます!今度一緒にお菓子を食べましょう、お近くにお越しの際はぜひ遊びにいらしてください。(ちなみに私の実家は諫早です♪)
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