Saturday, September 15, 2012

スイスの進路事情




彼はやってきた。今回は以前のクラスメートとともにスイスからチョコレートを持ってやってきた。5回目の長崎。学生なのになぜそんな余裕があるのだろうか。もちろんホステルなどを宿泊先に選択しながらの旅行とはいえ負担は大きいはずだ。そんなにアルバイトをしているのか?と不思議に思い聞いてみた。

スイスの場合、幼稚園、小学校、中学校はだいたい日本と同じ年齢で入学、卒業、その後の進路で大きく道が変わるそうだ。それは日本で言う高校の普通科、また教員養成学校、職業高校への進学を選択しなければいけないから彼は職業高校を選択したそうだ。

調べてみたところ、普通科に進学した場合は、基本的に将来大学進学を目指し、約2割弱が普通科に進学する。教員養成学校は学校の先生になるための高校でわずか約3%、そして残り全体のなんと「7割以上」があらゆる職種の職業高校へ進学するそうだ。またそれらの就業年数も様々だそうだが多くは4年。この様に7割以上が職業高校へ進学し、特殊技能を身につけながら週2-3度は技能との関連のある企業での勤務も可能であるそうだ。特殊技能と言うのも機械や建築、化学、電気といったものだけではなくて、物理や数学などといった分野も存在するという。職業のミスマッチも減少し、企業も人材も疲弊を避けられる。旅行中の彼の場合は、この職業高校在籍中に勤務した際の給与がまだ残っており、それを原資に日本への旅行をしているとのことだった。なんと20代の若さで極東のこんな場所まで何度も旅行してしまうような、そんな大胆さを持ち合わせている彼、スイスがもつその社会風土がうらやましいと思ってしまった。

それにしてもなんと職業高校を進路に選ぶスイスの中学生が「7割」という数字には驚いた。この数字にはハッとさせられた。誤解を恐れずに言うならば、日本では職業高校というと、何となく進学校へ行けなかった・働かないとやっていけない家庭の学生・落ちこぼれた学生のための・・・といったようにネガティブな役割の受け皿と見做されている。正直、私もそう思っていた一人だ。こんな見方はいいはずがない。自分自身も含め日本人は 猫も杓子も大学進学、、何も考えることなくそれが最良の選択だと世間的に思われている。選択、いや実は選択などしてもいない。自身と世間が何となく決めた何気に良さそうなレールの上を闇雲に走っているだけだったのだ。

経験もない学生を受け入れる企業、それをバックアップする政府、それを育む家庭と社会。中高生の年齢から社会との接点をつくり対話を生む。それにしてもス イス社会、しなやかで社会全体の成熟を感じさせる。「なるほど、やはりこんな旨いチョコレートをつくる国は違うな。」またわけのわからない納得をしながら 次のチョコをほうばった。

No comments: